
顎関節症
顎関節症
顎関節症(がくかんせつしょう)は、以下のような顎の不調があらわれる病気です。
最も多い初期症状は、関節の音(クリック音)です。
音がしても痛みがないうちは、悪化を防ぐためのセルフケアや生活習慣の見直しが大切です。
指が1〜2本分しか入らないほど、口が開かなくなる(開口障害)
こうした場合は、歯科医院での治療が必要です。
顎関節症の原因はひとつではなく、いくつかの要因が重なることで起こると考えられています。
これらのうち、歯科的な要因は治療によって改善できる場合が多くあります。
「音がするだけだから大丈夫」と放置していると、症状が進行して治療が長引くことがあります。気になる方は早めにご相談ください。
単に噛み合わせが原因とは限らないのが顎関節症です。顎関節の位置、下顎骨の状態、口の開け閉めに関係する筋肉の張り等も総合的に観察して治療します。
顎関節症は、かつては噛み合わせの悪さが主な原因と考えられていましたが、近年の研究では、噛み合わせはあくまで要因の一つにすぎず、実際には、顎関節自体の構造的な弱さや、ストレス・不安による顎の筋肉の緊張、過去の外傷、さらには日常生活におけるさまざまな習慣や癖が複雑に関係して発症することが分かってきました。具体的には、頬づえをつく、歯ぎしりや食いしばり、唇や頬の内側を噛む癖、片側ばかりで噛む習慣、うつぶせ寝、猫背、スマートフォンやパソコンの長時間使用といった行動が、顎関節や周囲の筋肉に負担をかけ、症状の原因または悪化のきっかけになるとされています。
生活習慣の改善
顎に負担をかけるような悪習癖を是正するための指導を行います。特に、歯を食いしばったり、歯と歯を常に噛み合わせるような習癖があると、歯、顎関節、筋肉に負担がかかり、血流も悪くなるので、こういった習慣を正す方法(認知行動療法)などを提示します。また、食事やその他習慣に関する注意事項を説明します。
顎関節の整位
関節円板(顎関節がスムーズに動くために上下の関節の骨の間にある、軟骨のような組織)が引っかかって口が開きづらくなっている場合は、適切な力を加えることで引っかかりを解除できる場合があります。また、大きく開けた後に口が閉じなくなった(いわゆる「アゴが外れた」)場合は、適切な力を加えて元に戻します。
顎のストレッチ
ストレッチを行うことで、靭帯を伸ばして関節を動きやすくし、関節と筋肉の血流を改善し、関節腔内の潤滑成分の分泌を促します。
ストレッチ指導
院内で行うストレッチでは回数、頻度に限界があるので、自宅で行えるストレッチ方法を指導します。
代表的な方法は後日詳しく解説したページで紹介します。
マッサージ指導
顎関節に関わる筋肉の痛みやこわばりがある場合は、マッサージの仕方を紹介します。
代表的な方法は後日詳しく解説したページで紹介します。
スプリントマウスピース治療
夜間の歯ぎしりや食いしばりがあり顎関節症を悪化させているケースでは、歯ぎしり防止のマウスピースを作成します。原則、就寝時のみ装着します。
マウスピースには次のような効果があります。
効果には個人差が大きく、劇的に改善する方もいれば全然変わらない方もいます。費用は保険の3割負担で5,000円程度です。
薬による治療
痛みが強い場合や、関節組織の損傷により炎症が起こっている場合は、鎮痛消炎薬の処方を行います。周辺の筋肉のこわばりによって強い痛みが出ている場合は、筋弛緩薬を処方することもあります。
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