2025年12月12日

寒くなってきましたね。
「アイスがしみる」「歯を磨くとキーンとする」、この時期はそんな相談がすごく増えます。
今回は、知覚過敏の原因とおうちでできる優しいケアをお伝えします。
歯の表面には、「エナメル質」という非常に硬いバリアがあります。
ですが、歯ぐきが下がったり、歯がすり減っ足りして、内側の「象牙質」が少し見えてしまうと、外からの刺激(冷たい・熱い・甘い)が、神経に伝わりやすくなります。
→これが知覚過敏です。
イメージとしては、「歯の守りが少し弱って、刺激に敏感になっている状態」です。
なにが原因で知覚過敏になるのか
言い換えると、何が原因で「象牙質」が見えてくるのか
①歯ぐきが下がること
②歯が欠けること
この2つが原因です。
では、①「歯ぐきが下がる」のはどうしてでしょうか
・歯周病 : 歯周病細菌により歯の周囲の骨が溶け、つられて歯ぐきが下がります。(一般的に歯槽膿漏と呼ばれている状態)
・加齢 : 年齢とともに、コラーゲンが減ってお肌の張りがなくなってきます。これは歯ぐきも同じで、コラーゲン繊維が減り、歯ぐきが下がっていきます。
次に、②「歯が欠けること」はどうでしょうか
・歯ぎしり食いしばり : 知覚過敏の原因で最も多いのが食いしばりや歯ぎしりです。この癖がある方は、エナメル質に亀裂が入ってしまったり、すり減ってしまったりします。
・不適切なブラッシング : 力を入れてゴシゴシ磨いたり、研磨剤入りの歯磨き粉を使うことで象牙質が露出しやすくなります。
・口の中が酸性 : レモンやお酢、コーラやスポーツドリンクをよく飲む方はエナメル質が溶けてしまいます(酸蝕症)
逆流性食道炎だった方もいらっしゃいました!
これらの原因に当てはまらない。対策しても効果がない場合は、「むし歯」の可能性もあります。
しばらく続くような痛みは一度検診してみるのがおすすめです。
対策について
ご自身できること
・歯ブラシを優しい力にかえる : 毛先でなでるくらいの力がちょうどいいです。強く磨くほど歯ぐきは下がりやすく、逆効果になります。(TePeのソフトや、やわらかめの歯ブラシの根本に優しいのでおすすめ)
・歯間ブラシやワンタフトはこする磨き方よりも当てる感覚を意識してみましょう。
・しみる場所がピンポイントで決まっている方は、MIペーストのようなミネラル補給剤を夜つけて寝るのも効果的です。
・酸性の飲み物を飲んだらお水を飲む : 口の中が酸性に状態にしておかずに、お水で洗い流しましょう
歯医者でできること
・コーティング剤をぬる : しみる部分を薬で覆うことで、神経への通り道を封鎖できます。
・レジンでカバー : 根本の欠けがひどい場合は、プラスチックでカバーをして物理的に刺激を遮断します。
・マウスピースを作成 : 寝ている間の歯ぎしりや食いしばりで歯が削れているタイプの人には効果抜群です。
知覚過敏は治らないわけではない
「年だから仕方ないのかな」
そう思っている方も多いですが適切なケアで収まるケースはとても多いです。
しみる感覚が2週間以上続く、広がってきた、痛みになってきた場合は、むし歯との区別も必要なので一度相談してみてください。
知覚過敏は歯が弱ったサインをちょっとだけ出している状態です。優しく丁寧なケアで落ち着くことがほとんどです。
・やわらかい力で磨く
・知覚過敏の歯磨き粉を使う
・刺激を減らす工夫をする
・症状が続く時は早めに歯科でチェック
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院長 渡邉 陽向
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